舞姫 (テレプシコーラ)

「見た」じゃなく、「読んだ」だね。
漫画喫茶で7巻〜10巻まで一気読み。元々、バレエ漫画は大好きで、アラベスク、SWAN、昴あたりは読んでたんだけど、テレプシコーラは他のとは少し違う。才能あるお嬢さんが、様々な困難や苦悩に立ち向かいつつ、素晴らしいバレエダンサーとして成長していく、みたいなのが多い中、このマンガは少し違った視点で描いている。何しろ、重い。主人公は無邪気で可愛らしい少女なんだけど、背後にものすごくドロドロした物が描かれている。例えば、いじめや挫折等はバレエマンガだけでなく、少女マンガにはよく出てくると思うんだけど、このマンガでは、児童ポルノ、DV、金銭的な様々な事、摂食障害、医療事故、めちゃくちゃだ。そして極めつけは自殺。
最初の方に出てきた、児童ポルノの下りだけでも、うっわー、山岸凉子すごいの描き始めたなーと思って読んでたんだけど、10巻(第1部の完結)の重さったらない。号泣せざるを得なかった。個室でよかったよ。wikiでどうなるのかは事前に知っていたんだけど、それでも耐えきれなかった。あんまり内容をあれこれ書くのもどうかと思うので、興味ある方は読んでいただきたい。
アラベスクもそうだけど、山岸凉子のバレエマンガ読んでてすごく思うんだけど、踊ってる姿が見えるのね。音楽付きで。どんな音楽なのか知らないのに、勝手に音も付いちゃう。マンガだから、もちろん静止画しか描かれてないんだけど、ちゃんと動いてるように見える。勝手に。脳内で。それだけハマって読んでしまうって事なんだろうけど。「トゥオネラの白鳥」を六花ちゃんの夢の中で踊ってる千花ちゃんも、舞台で限界ギリギリで踊る六花ちゃんも見えるんだもん。ちょっと怖いよ。(自分の脳味噌が。)
のだめもすごく好きでずっと読んでるけど、あれも脳内で音楽が再生されるんだよ。知らないのに。すごくリアルなんだよね。だから、ドラマののだめは私はダメだった。どう見ても峰君バイオリン弾いてるように見えないんだもん。実際に音が流れてるからそう見えるかっていうと、そうではないんだね。実写よりマンガの方がリアルって、どういうことだ。なんであのドラマが人気だったのか、今もってわからない。
で思い出したんだけど、漫画喫茶で号泣したの、2回目だ。前の号泣は生徒諸君!で。その時は簡単な仕切りがあるだけで、個室ではない店だったので、これはやばい!我慢しなくては!と友人に「初音ちゃんがー!」とメールを送ったところ、「あー、あの場面は号泣だったわ。」と返ってきたので、やっぱりかー!と耐えきれなくなり、人目もはばからず涙を流したわけです。
マンガってすごいね。